排水のにおいが気になる時の確認事項

排水管洗浄

部屋の中には排水管内のにおいが入らないように専有部の各排水口(キッチン・洗面台・浴室・洗濯パン・トイレ)にはトラップという仕組みがついています。トラップの形状により排水口に常に水が溜まる仕組みになっており、水でふたをすることで排水管の中のにおいや虫が室内に入らないようになっています。
お部屋の中に排水のにおいが上がってくる時はなんらかの原因でトラップが正常に機能していない(封水が溜まらない)事が考えられます。いくつか原因として考えられるものがありますので確認してみてください。

 

1.給気口を閉めたままレンジフードや24時間換気を使用したため、部屋が負圧になり、排水トラップが破封(水がなくなる)してしまう。

近年のマンションはサッシなどの気密性が高く、部屋の中でレンジフードや24時間換気等の換気扇をまわして換気をする際に給気口を閉じていると外気の取り入れができず、室内が負圧になり、排水口から空気を取り入れようとします。(ストローで紙パックの中身を吸った時の紙パックの中のようなイメージです)この時に排水口トラップの封水が引っ張られて破封してしまう(水がなくなる)ことがあります。排水口トラップの水が溜まっていない状態では排水管の中のにおいが室内に入ってきます。においが気になって換気扇を回すと排水管の中のにおいをどんどん取り込んでしまうので余計ににおいが気になる状態になってしまいます。室内が負圧状態のときは玄関の扉が重くて開けづらい等の症状が出ることでわかります。対策としては換気扇をまわす時に・給気口を開く・窓をあける等で外気の取り入れを行う事で改善する場合があります。冬場など、外気が冷たい時に給気口を閉めてしまったままになり、このような現象となることがよくあります。

壁面に設置されている給気口1
壁面に設置された給気口2

2.トラップ部品のパッキンの取付具合が緩く、すき間からにおいがはいってきてしまう。

トラップ部品の取付状況やパッキンの取付状況により、すき間からにおいが室内にはいってきてしまうことがあります。この場合、取付をしなおすことで改善する場合があります。また、パッキンが劣化して伸びたり変形してしまうことがあるため、定期的にパッキンを交換する必要があります。洗剤を使用したときに排水トラップに溜まった洗剤によってパッキンが変形してしまうことがありますので洗剤を使用したときはよく洗い流してください。また、トラップ部品にパッキンが接着されているタイプもあります。

劣化で伸びてしまったパッキン

3.長期間排水設備を使用しなかったため、封水が蒸発してしまう。

長期間居住しない空部屋などで比較的多い事例です。各排水口で蒸発しないように対応が必要となります。

4.トラップに汚れや髪の毛が付着し、封水が切れてしまう

トラップに汚れや髪の毛が付着してトラップの機能が阻害されてしまうことがあります。トラップの清掃をすることで改善する場合があります。

毛髪等が付着したトラップ

5.乾燥機付き洗濯機の排気により洗濯パン排水トラップが破封してしまう。

乾燥機付き洗濯機の一部には乾燥機能使用時に封水(トラップにたまっている水)が切れてしまうものがあり、注意が必要です。機種によっては温風でトラップが変形してしまった事例もあります。

以上が排水のにおいが気になるときの確認事項となります。マンション専有部のサッシ等の高気密化により、においの問題は年々増加傾向にあります。においが気になる場合はまず各排水トラップまわり、給気口まわりをご確認ください。

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