建築・設備診断

建築・設備診断業務とは

建物は大まかに、鉄筋・鉄骨・コンクリートにより形成され、その表面を塗装やタイル張りにより仕上げた「建築躯体」と、その内部に配置された給水管・給湯管・排水管・消火管・蒸気管・冷温水管・電線管といった「建築設備」により構成されています。

「建築設備」は「建築躯体」に対し、通常、生活範囲から隠されるようにパイプシャフトの中、地中、壁裏、床下、天井の上といった空間に配置されておりますので、例えば漏水が起こった時など、それがどこで発生したのか、又、給水・給湯なのか、もしくは排水系統なのか、あるいは雨漏りなのかさえも、判別・特定する為には内装材の解体等、多大な労力・時間・費用を要することもよくある事例です。

このように、事故が発生してから対処したのでは既に手遅れとなることから、そうなる前に異変を察知し、先手を打てるように情報収集すること、つまり長期修繕計画作成時の基礎資料蓄積の手段となるもの、それが建築設備診断業務です。

診断業務には目的に応じて「一次・二次・三次」の3段階のメニューがあり、それぞれ診断結果として得られるデータが異なります。

一次診断について

基本的に一次診断は、後述の二次診断・三次診断を実施する為の下準備という位置付けです。一般診断とも呼ばれます。一次診断のみでもある程度の劣化具合は判明しますが、管理組合で大規模改修工事を議題に上げる際に使う資料としては、若干弱い部分もあります。その為、ある程度劣化の進行が予測される物件では、一次診断と二次診断・三次診断を始めから組み合わせて実施し、1回の診断で建物全体の建築設備現況に対する結論を出します。

 

◇外観目視調査◇

配管・継手・支持金物等の、外表面腐食劣化状態を目視観察し評価します。配管に保温材が巻かれている場合は、部分的に切除し、目視後復旧します。鉄系の給水管を使用していた場合は、特に脆弱である継手接合部を重点的に確認し、二次診断・三次診断の候補ポイントとして押えておきます。

◇アンケート◇

建築設備の使用者に対するアンケート調査のことです。普段の使用に於いて感じた不具合現象(排水管の場合、流れが悪い、臭いがする、コポコポ音がする等)の発生具合を調査し、集計したものを建築設備系統図に落とし込み、劣化傾向を掴みます。

◇問診調査◇

建物の設備担当者、修繕担当者等調査物件の設備に明るい関係者に対し、聞き取り調査を行います。過去の修繕履歴や物件の特殊性の把握が目的です。その建物に特有の使用条件がある場合は、配管類に及ぼす影響を考慮する必要がある為です。

 

二次診断について

次診断は「非破壊計測調査」とも呼ばれます。超音波・エックス線や内視鏡を用いて、診断対象となる設備(配管)を破壊せずに(部分的な開口を伴う場合有り)行う調査です。調査終了後の復旧までに要する時間が短く、特にマンションの場合、調査系統住戸への制限(給排水禁止)をかけずに設備を稼働のまま、あるいは稼働に近い状態を維持したまま調査出来る利点から、採用されることも多い診断方法です。

 

◇超音波厚さ計計測調査◇

探触子(超音波を発生又は受信する振動子を組み込んだセンサー)を管中心に向けて管表面に密着し、超音波を発生させ、錆こぶ部で跳ね返ってくる超音波を計測することにより管の残存肉厚を測定します。それにより対象物の残り耐用年数の推定が可能となります。但し、管径が大きい場合は管外周に沿って100以上の計測点を設定する必要がある為、調査に時間が掛かります。また、配管継手部や電縫部の計測は出来ません。

◇エックス線調査◇

配管・継手の背後にエックス線フィルムを設置した上で前面よりエックス線を照射し、対象物内部の錆・詰まり・腐食状況等を撮影します。フィルムには対象物の外面と内面が同時に写り、錆や腐食があった場合には特有の陰影が出ます。

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◇内視鏡・テレビカメラ調査◇

配管内部に撮影装置の先端部分を挿入し、内部状況を観察します。鋼管の場合、直管と継手の接続部に生じた錆瘤発生状況をよく観察出来ます。また、ライニングの剥離や膨れの確認にも有効です。調査条件はカメラの挿入口があることですが、無い場合は配管を切断若しくは穿孔することになります。

三次診断について

対象物の「今」をありのままの形でご提示出来ることから、最も明瞭に診断結果をお伝え出来る方式、それが三次診断です。3つの診断方式の中では最も費用と手間がかかる反面、例えば改修工事の必要(不必要)性を訴えかける際の説得力は、一次診断、二次診断を凌ぎます。三次診断は「破壊調査」とも呼ばれ、文字通り対象物を部分的に切除することにより成立します。

 

◇配管採取(抜管)調査◇

 

配管・継手類を部分的に採取(抜管)し、それを縦方向に切断します。切断したサンプルの半分はそのままにしますが、残りの半分は酸の入った容器に浸して、地金が出るまで汚れや錆を洗い落とします。その上でポイントマイクロメータを使い、配管肉厚を測定します。超音波肉厚測定では局部的に肉厚が減少していると測定出来ない場合も有りますが、抜管方式ですと確実な測定が可能です。調査時は、抜管箇所の系統の設備が復旧作業終了まで使用不可となるという制限が生じます。

 

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